弥生時代の下之郷遺跡の植生(樹種鑑定をもとに)
 下之郷遺跡からは、二千年以上も前の樹木(じゅもく)が多く出土しています。 その樹木の種類を鑑定(かんてい)することで、いくつかの植生群(しょくせいぐん)が想定(そうてい)でき、下之郷遺跡とその周辺の様子を推測(すいそく)することができます。
 まず、集落は自然堤防上(しぜんていぼうじょう)に営まれ、環濠内側の集落には、古くからの樹木や林などの植生がかなり残っていたことや集落の下流部の低地には川が流れ、水田に水を引くための水路もつくられていたと考えられています。 そこには、水生植物やヤナギ等の耐湿地性(たいしっちせい)の植物が茂り、水に浸(つ)かっていない低湿地(ていしっち)にはハンノキ林が広がっています。そして、ハンノキ林を伐採(ばっさい)した場所には、コナラ等の二次林 が発達しています。また、集落の周囲には、もともとの川岸林由来(かしりんゆらい)のケヤキ林が見られます。それから、少し離れた高台(たかだい)にはシイ、力シの常緑樹(じょうりょくじゅ)の林が広がっていたようです。
パネル11

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