かつて、世界の稲の品種は籾(もみ)の形から、長粒種(ちょうりゅうしゅ)のインディカ種、大粒種のジャバニカ種、短粒種(たんりゅうしゅ)のジャポニカ種の3種に分類されてきましたが、最近の遺伝子(いでんし)(DNA)研究の進歩によって、インディカとジャポニカの2種に分類され、さらにジャポニカは温帯と熱帯に細分されています。
熱帯ジャポニカの稲は、粗放的(そほうてき)で手間をかけずに栽培され、中国華南(かなん)地域から東南アジアにかけて広く分布しています。温帯ジャポニカは、充分な肥料を与え、栽培をきちんと管理する集約的(しゅうやくてき)でより高度な技術と道具が必要な稲で、現在、日本をはじめ朝鮮半島、中国の揚子江(ようすこう)(長江)(ちょうこう)より北側に分布しています。
これまで、弥生時代の稲は温帯ジャポニカであると考えられていましたが、DNA分析でジャポニカもたくさん出土していることがわかってきました。