交流の記録
 集落や環濠(環濠)からは、遠い地域との交流がうかがえる土器や石器が出土しています。
 土器には、遠隔地(えんかくち)の特徴のある土器が見られます。すだれのような簾状文(れんじょうもん)と呼ばれる文様で飾られる土器は近畿地方の大阪南部、壷の体部(たいぶ)に大きな穴を開けた「円窓付(まるまどつ)き土器」は東海地方、また、壺の口に粘土の帯を多く貼り付けた土器は伊勢湾地方の特徴だと考えられます。この他に「たこつぼ」も出土していて、和泉地域(大阪南部)の特徴です。
 石器では、鏃(やじり)に使われているサヌカイトと呼ばれる硬い石材は、大阪府と奈良県の境に位置する二上山で、緑色の碧玉(へきぎょく)は石川県で産出したものと考えられます。
 人々が交流するのは、鉄や塩などの物資を入手するため、あるいは婚姻(こんいん)などのためで、その結果が土器などに反映されます。
パネル32-1服部遺跡の水田跡
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