線刻土器・絵画土器
 線刻(せんこく)、あるいは絵画(かいが)土器を焼き上げる前の柔らかい時に、記号や絵をへらなどの工具で描いた土器のことをこう呼んでいます。
 下之郷遺跡からも記号や絵画が線刻された土器を見ることができますが、中でも二頭のシカを描いたと考えられている絵画土器片が見つかっています。
     シカが描かれた絵画土器は、下長遺跡でも出土していて、比較的多く見ることができます。縄文時代には狩猟(しゅりょう)の対象であったシカですが、稲作農耕の社会では、豊穣(ほうじょう)のシンボルとして扱われていたのではないかという考えがあります。
弥生時代中期の稲作は、干ばつや風水害など、自然に大きく左右されていたことが想像でき、豊かな実りを願い、土器にシカを描いたのではないでしょうか。
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