下之郷遺跡で見つかったウリ科(メロンの仲間)の仲間
 2006年10月、下之郷遺跡の弥生時代中期(紀元前2世紀)の環壕から、全長10cmほどの丸みのある植物遺体が発掘されました。 パネル531
 外見はヒョウタンのようでしたが、総合地球環境学研究所(京都市)に、DNA鑑定を依頼した結果、ウリ科(メロンの仲間)の果実であることがわかりました。また、同時に放射性炭素(C14)による年代測定の結果、2120±40年前とわかり、弥生時代の遺物であることが確かめられました。
 メロンの仲間の種子は、日本各地の遺跡から見つかっていますが、果実の出土はほとんど無く、当時の食文化を探る上で大変貴重です。また、メロンの仲間は、もともと日本に無かったものですので、どこから伝えられのか、また、どのように栽培されていたのか興味が尽きません。
 この果実は、地下約1.2mの環濠の中に埋もれていたものですが、空気から遮断されて酸化せず、地下水の中で一定の温度に保たれていたため、二千年以上もの間、保存されてきたと思われます。
パネル532
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