戈 の 柄 (かのえ)
 下之郷遺跡の第14次調査で出土したものです。 パネル621
 戈の柄(かのえ)は、ヒノキ材を丁寧(ていねい)に削りあげています。柄の先に幅の狭い溝が切られていますので、青銅製(せいどうせい)の戈が装着(そうちゃく)されていたと考えれれます。
 もともと、戈は中国の戦国時代に戦車戦(せんしゃせん)などで使われていました。長い竿状の柄の先に取り付けられ、戦車の上から敵の首をねらうための武器です。槍(やり)や矛(ほこ)が柄と同じ方向に取り付けて使われるのに対して、戈は垂直方向に取り付けられているのが特注です。
 日本に伝わった戈は、当初は実用品であったものが、祭祀(さいし)に使われるようになったと考えられます。下之郷遺跡から戈の柄は約56cmの長さで、中国の戈の柄にくらべて極端に短く、片手で持つことのできる武器に変化したようです。
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